鉄骨検査 2020-08-17

朝から鉄骨制作工場にて検査におもむく。最寄りの阪神出来島駅に朝到着し、午前の内に検査を行う段取りだ。
少し早く到着したので、駅南の喫茶店にて珈琲をいただく。窓のすぐ外側に、藻で殆ど中が見えない水槽が置かれていた。中には魚の姿はなく、水草だけが生い茂っている。後でマスターに魚は?と聞いてみると、どの魚も暑過ぎて住めない状態らしい。直射日光を受け、何の混色も見出せない黄緑の反射光が、少々毒のようにも見えてきた。そんな観察をしている間に待ち合わせ時刻となり、鉄骨工場に向かうことにする。
工場自体は、いかにも、という様相。しかし、制作の現場でもビジュアル化は進み、図面だけでなく3DCGによって鉄骨架構や仕口、継手の情報をあらゆる視点から容易に確認することができる。この情報に、関わる工程を同様の情報として組み入れ、共有することができれば、いまでいうBIMになる。ただ、それを物として実現させるのは、まだまだ人の力と知恵のなせる技。その物に対して仮想的な手段をもって確認することはなく、糸やスケールでその確認を十分成し遂げることができる。今回も検査は無事終了。

 

 

自身もCADを使い図面を書いて久しいが、その図面はいつも現実の物、または、現実化を前提とした内容を描いている。ビジョンとしてまとまった建築物を、まるで「ほら、現実化できるでしょう」という具合に表し伝えるためとも言える。であるなら、その内容は、手書きの方がより現実味を帯びるものになるのではと思うことがある。そこに発生する苦労は、以前は完成までの階段の段数の多さに反映されているように感じたが、今はどうだろう。段飛びによって疎かにされたものはないか、とまるで自身をスキャンしながら、建築は物であることを改めて実感する。またその実感を授けてくれる現場はやはり面白いと思う。