肌寒い風ともに晩秋らしい冷たい雲が空に広がる。
現場は、内部間仕切りの下地が建て込まれていく。いつも不思議に思うことだが、構造体だけのがらんどうの状態だと現場は狭く感じるのに、間仕切りが立ち始めると、逆に広く感じる。見た目の面積は小さく分割されているはずなのに、である。これも、部分の集合が全体であるということのアンチテーゼなのかもな、と思いつつ現場を見て回る。遅れ気味の工期により、やはり現場には多くのものが搬入され、溢れかえりつつある。その中、手戻りが生じた際、その改変に多くの工程や時間がかさむであろう部分に目星をつけ、重点的に確認をしていく。この時、集中力と同時に、頭の中で工程を一つづつ付け加えたり、または剥いだりするような奥行きを見透かす力がものをいう。これを教授してくれたのはアトリエ時代の先輩であった。それをひしと感じるのは、おそらく現場に対する臨場感が異なるからだと思う。しかし、今でも「まだまだ」と言われるであろう。身が引き締まる思いで、注意深く現場を歩く。
