一年が経過する 2021-04-13

完成から一年を迎えた。
施工者の一年検査にあたり、あらかじめ現地を確認するため足を運ぶ。
外は柔らかい日差しに包まれ、心地よい風が流れている。敷地内に残置した桜の老木は、昨年より明らかに花付きがよくなり、まるで息を吹き返したように花を咲かせてくれていた。足元に植えた芝桜と一緒に「綺麗な桃色のグラデーションですね」と、現地を共に回っていただいた理事長さんから云われ、自身の考慮が結実した瞬間を感じ嬉しく思う。ただそこには、忙しい合間を縫って自ら雑草抜きに勤しんでいただいた園長先生の存在無くしては有りえることではない。建築や空間づくりというものは、人の継続的な理解と協力を得てはじめてなし得るものであることを改めて思い知らされる。
新しいウィルスの災禍が未だ収まらない今日、人々の活動や営みの新たなあり方が問われ、激動ともいえる生活転換が声高に叫ばれている。人は様々な状況に対応していくことで進化を遂げてきた。ただ、目紛しい変化の中においてもその原動力を見据え続けることが肝要であることを垣間見た気がする。