友人であるインテリアデザイナーとの会話に、インテリアデザイナーと建築家の内装の考え方や構築方法の違いについてしばしば話題になることがある。
結論を要約すると、インテリアデザイナーはミクロ、建築家はマクロの視点から内装デザインを積み上げる傾向があるということになる。その大きな要因は、求められる空間の質や役割が異なることだが、主として小さな要素からでもインパクトを引き出しつなぐ方向と、包括的なコンセプトと居心地のよいストーリーを共有させる方向との違いに現れる。それらに沿って作成する図面やイメージをはじめ、材料選定や工事明細の見方、監理の要点に至るまで、少しづつ異なっていることがわかる。今回のプロジェクトでは、統一感をもたせながらストーリーやシーンを思いおもいに引きだすことができる空間ができれば、と考え取り組んでいる。思い返すと、やはり自身は建築の方向が身に染み付いているのを自覚する。

現場は空間構成の要となる部分にさしかかる。空間に一体性や連続性をうみだし、居合わせた人を優しく包み込みながらいろいろなシーンを引き出すきっかけとなる部分。それを作り出す方法はひとつではないが、ここでは壁と天井のエッジをなくし一体化することで、構成要素でなく空間を浮き立たせる方法を特定した。言い換えると、空間の隅をなるべく無くす、ということになる。子供の頃、和室で見上げた船底天井の隅の部分が暗く(たいがいそこには蜘蛛の巣もあった)怖い印象を覚えていたこともそのアイデアの一因かもしれないが、日中寝転んで過ごすことが多い保育乳幼児に、広々と明るく包み込まれた空間で伸びのびとすごして欲しいという想いからそう設定している。その空間の下地は、職人を泣かせるものになるかもしれないが、嬉し泣きとなるよう仕向けなければならない。
