色彩の決め手になるもの – 現場0215 – 2022-12-03

自身にとって図面で中々表現(決定)できないものに素材の質感や色味が挙げらる。

設計段階で模型やCGを使い構想や空間イメージを練っていくが、その場を完全に再現したものではない。季節や時間帯、照明の配置具合や経年によって空間の実態は変わりゆき、初期のイメージと少しづつ乖離していく。以前と比べればCGの精度も向上し、経験上もその変化の度合いをある程度予測できる。でもやはり、質感や色味は現場で検討するに越したことはない。白一辺倒であるとか自然素材のみで構成することも一つのストーリーといえるが、ここで佇む子供たちや支えるスタッフ方々の受けとめ方をより豊かで直接的なものとし、空間を助長する手段として限定的に配色することは有効と判断した。ただ、色の決定となるといつも現場でウーと唸ってしまう。サンプル作成など何度も懲りず対応してくれた現場担当者には感謝しかない。

 

 

ああだこうだと考えるも、色の決め手になるのは自身が心地良いと思う色が大前提で、それを決定づけるのは色温度かもしれないと思うようになった。同じ系統の色でも微妙に異なる色合いを即温度として感じとり、ここで過ごす時間に対しどんな温度を提供できるか、という視点に立つと自ずとみえてくる。勿論、様々な変化やいろんな感受性をもつ人たちが長時間佇む場所にある大きな色彩面には、キワモノでなく中庸ながらも空間ストーリーに合ったものが重要となり、多様な受けとめ方を誘発するものでなければならない。空間と呼応しながら、暑くもなく寒くもなく暖かく想いをキャッチボールできる色。そんな感覚で壁面の色を決める。スポット的に見せる部分には振幅が大きく熱い目立つ色(上の丸い開口部分)、外壁は周囲の景観からかけ離れない具合を考慮しつつ、海に対峙する山の温かみを連想できる色とした。色の決定は検討し甲斐のあるものです。