設計。あれこれ。 2018-10-13

建築の設計を進める。
かれこれ20年以上携わってきたことです。その間、同じ建物を作ったことはまずなく、その場、状況、条件などを合わせながら世界に一つだけの建築を創ることに時間を割いてきた。図面を書きながら、常日頃思うところを再度一考してみる。

以前勤務していた事務所のボスは、「設計の大半は調整」とよく口にしていたのを思い出す。設計の経験を重ねていくということは、いろんな要素の間に生じる諸問題の調整・解決力や、そのアプトプットとしての絵心を養うことに尽きるのだろうか? おそらく、そうだと思う。図面がうまく早く描けることもあるだろうが、それも時間と求められる表現の調整具合。だれも見たことのない奇抜なアイデアを発想できることもあるだろうけど、それも意図や価値、はたまた経済性の調整から着想できること。そんな様々な条件を把握し見出すことができるようになることが、設計にかけた時間や経験と言えるのかもしれない。

「設計のクリエイティブなところは?」と上の言葉を耳にした時、ボスに質問したことがある。忙しさのあまり、その答えは「これっぽっちも」という具合だったけれど、今なんとなくその答えだろうと思うところが一つみえる。全ては調整の中にある、そんな感覚だろうか。ある種マニアックで説明し難い内容になっていく予感もあるけれど、調整次第で良くも悪くもなる均衡の状態から、良い方向を目指す時点で何かしらの意図があって、そんな意図が働く状況がクリエイティブなことにつながるのかもしれない。人によって即物性や抽象性を引用して、その意図を稼働させようとしている、とも言える、かも、、あれこれ。

長く暗い夜。いつもの構造の先生とああだこうだともう丑三つ時。調整の視点でいろんな建築を観てみるのも良いかもと、ちょっとした企みを夢見ながら、それも睡眠時間と成果の調整具合カナ。