実地とイメージを積み重ねながら建築内容をシミュレーションしていく。その中で、敷地北西角にあるさくらの樹の扱いについては、初期の頃から変わっていない。
この樹は、学園の中にあるさくらの中で最も古く、また最も早く咲き、春を告げるランドマークになっていた。さくら、その中でもソメイヨシノの樹齢は短く、古くなると様々な病気や害虫の被害に遭いやすくなり、樹形が歪になる。それは、樹の内部から新たな芽を出すことに起因するようであるが、害から自己を再生する生命力の強さの証といえる。その様子が具に観測できるランドマークを伐採することはとても簡単なこと。しかし、敢えてこの樹を残すことで広がる可能性を捉え、当初から計画全体に結びつけていくことを与条件として扱う。