海に面した公共建築物にある約14メートル四方の一室を保育送迎ステーションと小規模保育施設に改修する計画です。この四角い空間に”まぁるい”場をつくることを主旨として構築していきました。様々な条件を考慮しつつ、平面的に大小三つの丸を設定し、これらを断面的に異なるレベルで入れ子状に配置することで大きな空間を構成しています。この三つの丸は、親しみやすさや動きをひきだすと共に、空間全体に一体感やつながりある表情を獲得します。そうすることで、こどもたちの多種多様な成長を引き出し、具に感じとることができるシーンをおしみなく形成していきます。また、丸からうまれたニッチ空間の活用や箱庭的な要素を取り入れ、一体的な空間に多様なバリエーションを生み出すきっかけづくりをおこなっています。この新しい”まぁるい”場が、親と子の想いをやわらかくうけとめ、自由で闊達なこどもたちの成長をゆたかに育み、地域の子育て環境の核としてひろがっていく場に成長してくことを願います。
敷 地:神戸市垂水区
種 別:内部(一部外部)改修
用 途:保育所、
保育送迎ステーション
計画面積:199m²
設計監理:ささもと建築事務所
(設備) E環境サプライ
担当:枝倉剛
(電気) 谷山設備事務所
担当:谷山守
施 工:春名建設株式会社
担当:芝本和彦 、
宮崎雅広、門林拳人
設計期間:2021.09-2021.11
施工期間:2021.12-2022.03
撮 影:松村芳治