外、内、内々 – 定例5 – 2022-11-18

1ヶ月が経過した現場は前半の山場を迎える。
内部では設備の仕込みと床・天井の下地を終え、取合いが不要なところから仕上ボードが施工され始める。隠蔽される設備類の位置や種別を各図面と照らし合わせていく。この時はいつも初めて担当したRC造の物件のことを思い返す。RCはコンクリートを打ってしまったらさいご、隠蔽されるものの種別やルートの変更は不可となり取り返しがきかなくなる。コンクリート打設前、確認に漏れがないかいつも気になってろくに眠れなかったものだ。今回の現場はそれとは異なるが、染みついた強迫観念に追われるように、また習性とはこういうことなのだろうと考えながら隠してしまうものを何度も確認してしまう。

 

 

外部では、既存壁面の塗装替えが完了し、あらたな保育園として真新しく明るい壁面が登場する。ただ、海に面する側のステンレスサッシの劣化がひどく、いくら特殊な美装をかけてもなかなか綺麗にならない。ステンレスは錆びないのではなく、錆びにくい鋼材。このサッシには加えてクリアー塗装を施していたが、長年の潮風には流石に勝てずだいぶと錆びている模様。利用者が日頃直接目にする側ではないのだけれど、折角の真新しさが目減りする感を覚え、なんとか現場内で対策を施す必要があるとした。

 

 

この計画には内部にもう一つ内なるスペースがある。建築の中の建築という所謂入れ子状態なのだが、空間の中心にあって部屋全体を見渡すことができる運営の要となるスペースとして当部分を設定している。設計において、周囲同様その間仕切りを床から天井までとすることも考慮したが、子供に合わせた目線やスケール感をとりこみ、圧迫感を軽減しながら分断ではなく一体感を高めた空間となるようパオのような独立した丸い小屋を据えた。現場ではその躯体となる小さな鉄骨の建て方も鋭意進行中である。「せんせいのいえ」と名づけたこの内々の建築は全体空間の要にもなる。