定例no.15 2020-09-12

天候にも恵まれ、着々と屋根に金属板が葺かれていく。
肝心なのは、屋根に現れる全ての出隅・入隅、端部であって、平らな部分はそれほど心配はない。視野に占める面積が大きく、屋根の美しさといえば、その形と葺き方にどうしても着目しがちであるが、納める方からするとその端部にどれほど注力したかが重要になる。シンプルな端部は、シンプルに雨が入る。シンプルさの中に、いかに雨水対策を累積させることが重要になってくる。このシンプルは、意匠だけでなく作業に掛る合意形成や施工性、万が一のメンテナンス性を備えることで達成しうるものと思う。

 

 

昔と比べ、建築の耐用年数が短くなってきているとよく言われる。市場の原理から導かれた消費財としての建物が蔓延し、経済循環の中に組み込まれていることが主な要因であろうが、建築に関わる人材のモノに対する思慮の希薄さもそのサイクルを早めている一因と思う。永く親しまれる建築を目指すのであれば、劣化と信頼失墜を意味する雨漏れを決して起こしてはいけない。初心忘れべからず、に尽きる。